拝啓
もう梅雨の時期なのですが、ここ一週間日本は中国育ちの高気圧に覆われ、気持ちいい日々が続いています。
四月五月と雨が多く寒かったので、少しお詫びの晴れ間でしょうか。
来週からは曇り空の予想なので、今年最後の春陽気、初夏陽気でしょう。
余りにも気分がいいので、公園のベンチに腰をかけ、ずーうっとただ空を眺めています。
そして、そよぐ風に身を委ねていますと、まるで、風の精になった気分です。空高く舞い上がり、この緑の地上を見下ろしています。
最晩年の仏陀が「この世は甘美で美しい」と弟子に言ったそうですが、恐らくこんな日に、生きとし生けるものがそう写ったのだろうと、勝手な想像してしまいました。
こんな気分を誰かに伝えたくなり、ペンをとりました。
では、 姉上様 へ
詩人の マモルより 6/4 2010
この仏陀の言葉は、瀬戸内寂聴さんが好きな言葉と言っていた。「甘美」という日本語が気になるのです。元になった古代インド語の持つ意味合いは分からないが、僕は「セクシー」とか「エロス」と言った言葉に置き換えたい。
敬謙な仏教徒には怒られてしまうかもしれないが、セクシーもエロスも若い性的ものでのあるが、更に根源的な生命力そのもののことです。その美しさならセクシーと言ってもなんら問題ないと思うのですが。
仏陀は性を否定した訳ではない、その欲望の虜になること否定したと思うのですが。