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二 月  雪


二月になると東京は雪が降る。
積もってもすぐ解ける淡雪である。
夜更けて昼の氷雨が雪に変わった。

いつもの如く、真夜中の散歩に出かけた。
冬は家の周りを一回りするだけものだが。
真っ暗な天から舞い降りる、白い妖精達は可憐で美しい。



「胸を張って前を見なさい。」と、
自分に言い聞かせて、背筋を伸ばす。

やっぱり、「戦士」がいいな、
カッコいいし、美しい。
戦士としてならいつでも死ねる。



真夜中の散歩は高校時代からの習慣。
人が寝静まり、夜のとばりだけが僕を癒してくれた。
「もう大丈夫、何が起ころうが、乗り越えられる。」

車のヘッドライトに照らされ、
無数の白い筋が闇の中に浮かび上がった。
頬に降り立った妖精は、小気味いい冷たいさを残し消えた。

2010 2/17 Mamoru Muto

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