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二 十 二 歳
二十二歳の年に、小さな決断をした。
みんなが曲がった角を、僕は、まっすぐ進んでしまった。
そこは、石ころだらけの荒れ地で、
自分で道を造らなければ、先には進めなかった。
でも、そこは意味深きことが多い所だった。
確か二十二歳の春、大学に退学届けを出しに行った。
水俣病の支援活動も一段落して、僕らも考える時期に入っていた。
同じ大学の他の仲間達は、ゼミに出るようになった。
でも、僕はみんなのようにすることができなかった。
姉に話したら「親のことを考えていない」としこたま怒られた。
友達も「卒業だけをした方がいい」と言った。
大学の職員も「保留にしておくよ」と言ってくれた。
でも、僕の気持ちは戻らなかった。
アウトローの生活はその時から始まった。
今までやってきて、この先も変わりようがない。
でも、「間違ってはいなかった。」と、今いえる。
僕は二十二歳の春、小さな決断をした。
みんなが曲がった角を、僕はまっすぐ進んでしまった。
そこは、それは石ころだらけの荒れた道だった。
自分で道を造らなければ、先には進めなかった。
でもこの道は、意味深き事の多い道だった。
そして、きっとこれからもずうっと。
そして、僕はきっと幸せ者。
8/16 2009 Mamoru Muto
記憶が曖昧で、二十三歳が正しいかもしれない。でもタイトルはこのままにしておきましょう。
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