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風にもらった勲章



昔の世界に浸ひたっていたら、
何やらうっかりミスを連覇するばかり。
否応なしに現実世界に引き戻されます。
今や、前期高齢者突入する年の頃。
いやはや、いやはや。


でもさ、今だって風にもらった勲章は
ぼくの一番の名誉、一番の宝物。
もうとっくに、風も吹かなくなったし、
なみだも、流すことも少なくなったけど、
風がおいていった勲章は
胸でキラキラ輝いています。




青春の生意気な気分にはまっていたら、
叔父さんの世界では、ちぐはぐするばかり、
いけないいけない、ぼくはただの叔父さん進行中。
生きるって恐いこと、
人や物の洪水が、勝手にぶつかり流れています。
けたり、逃げたりしませんと、
大きな怪我しちゃいます。


誰か、人が誉めてくれた言葉より、
遠い昔にもらった勲章が、
ぼくにとっては一番の誉め言葉。
だって、風に舞う雪花や木の葉たちが、
泣き虫小僧を慰なぐさめ、くれたものだから。
今でも心の奥底で、小さく小さく輝いています。


2008 6/5 Mamoru Muto

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