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歴史
 
お盆に帰った会津の田舎
兄より渡された小冊子
「上かみの家」の爺様が丹念に調べた
1200年の小さな村の小さな歴史
ずっしりと心の中に落ちて行く。
 
過疎や老人ばかりの、今にも消えてしまいそうな小さな村
日本のどこにでもある田舎の姿なのだけど、
でもそれは、大多数のアメリカ国民には及びのつかない、
または、数世代前に都会に出てしまった
        日本の都会人にはもう戻ることができない、
淡々と流れた歴史の長さと重みがそこにはある。
 
春になればいつも採りに行く沼の芹は、
1200年前の旅僧にもてなした芹であるし、
幼い頃メダカを獲り行った淵は
観音像が身を沈めた淵であるし、
竜神が姿を現した川である。
 
そんな言い伝えの真偽はどうでもよく、
重いのは、それを信じる一族が
1200年の長きに渡って、
途絶える事無く延々と続いてきたと言う事実。
そして、その延長上に僕もいると言うこと。
 
8/26 2007 Mamoru Muto

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