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さ く ら
 
さくらさくら、
毎年この季節なると、なにか浮き浮きとして、
何かくすぐったく、落ち着かない気分になる。
僕も日本人なんだな、と気付く季節である。

西行は満開の桜の下で死にたい、と歌に詠んだ。
パアッと咲き、パアッと散る。
今までくすぶっていた春気分が、一気に花開く。
この花咲か爺さんの手品は、
日本人の心を引き留めて止まない。


さくらさくら、
今年も忘れずやってきてありがとう。
    昔は桜の開花が農作業の始まりであった。
    今もこの風習をまねて、
          学校も会社も桜の開花と共に始まる。
    古代人が、桜の花に稲穂の豊作を重ねたように、
    豊かな収穫を夢見れずはおれない。


さくらさくら
今年も約束通りやってきて、
僕の心にも、パアッと春が花開くことが出来た。

ありがとう、小さな戦士達。
2007 4/5 Mamoru Muto

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