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ローマン派


ネオンが眩く光る大都会 立ち並ぶビル達のはるか頭上を
大きな月がゆっくり運行する。

この地上の生きとし生けるものは
三十億年の記憶をその細胞に刻みこむ。
そう、満月の夜はこの地上が楽園なると。



眠り続ける細胞をたたき起こせ。
10兆の全細胞に渇を入れよ。
まだ一割二割の能力しか引き出していない。

人生八十年時代、五十歳は昔の三十代と同じ、
これからひと勝負ふた勝負仕掛けなくて。
まだ見ない新しい世界を切り開かなくてはならない。



過激な元素、酸素を使うことによって、
生命は、無限の可能性を手に入れた。
しかしそれは、
老化という時間の制限を受け入れると言う、
取り引きによるものだった。

その後の数知れぬ受難の歴史にも打ち勝ち
いのち達はこの地上に
実に多彩な変化と多様性を開花させ続けてきた。



眠り続ける細胞をたたき起こせ。
10兆の全細胞に渇を入れよ。
まだ一割二割の能力しか引き出していない。

人生八十年時代、五十歳は昔の三十代と同じ、
これからひと勝負ふた勝負仕掛けなくて。
まだ見ない新しい世界を切り開かなくてはならない。


06/10/20 Mamoru Muto

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