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30分間の迷走 ・・・ メディテーション
 
 ある日、私は白い建物の中で、個室に案内され、「時」を待った。ベンチに腰かけていたのだが少し緊張気味だった。
 「これはテストなのだ…。」ひたすら無心になろうと努めるのだが…。ドアを開けて若い男の人が入室し、私に、2~3、質問をする。「金属製のものは身につけないようにしてください。では、奥の部屋に入って。」
 「はぁ。」
 
 奥の部屋に入ると、最新型の物体の上に寝かされ、ベルトで全身を固定される。まずは腕、それから上半身。完全なるまな板の上のかぼちゃ。若い男の人が言う。
 「たいていの人は、だいじょうぶですよ。目を開けてもいいし、つむっていてもいいです。でははじめます。」
 男の人は退室し、「ここでこのまま、私は一人ぼっちだ。」もう目をつむっていよう。
 室内は明るいのだが、目をつむった瞬間、「シュー。」という音が聴こえ、はじまった。「ガ、ガ、ガ、ガ、ガ。」「ド、ド、ド、ド、ド」「ガ、ガ、ガッ」無音。「ガ、ガガ‥」
 
 目をつむったまま祈りを捧げてはいたのだが、さきほどの「シュー」という音の部分では心の中は「かんおけの中だぁ。どうしょう。」目をつむったまま。涙がひとすじ流れてしまった。「生きてんのにぃ。」「神様ァ…。」「ガ、ガ、ガ‥」が始まった瞬間の心の中は、かんおけにしばりつけられて生きているのにどっかに「シュー」という音で入れられて外では戦争の真っ最中。「嫌だよぉ…。」
 「神様ぁ、何でもありませんように…。本当に平和でありますようにぃぃ。」くすん‥S
 音が消えた。またさっきの人が入室してきた。泣いてたのをはげましに来たらしい。
 「だいじょうぶですよ!」
 「はぁ。」
 
 そそくさと退室し、やっぱり一人ベルトでしばられたまま。
 「ガ、ガ、ガ、ド、ド、ド」「戦争だぁ!」
 
 ----しばらく続く----
 
 無音 目を開けられず、つむったまま。
 きらりん。
 鳥の声。
 「あ~ ヒーリングミュージック。」
 
 ---ほんの少し続く--- 助かった。
と、思った瞬間。
 「ガ、ガ、ガ、ガ、ガ」「わーーん。」
 「ド、ド、ドッ、ガガッ、ド、ド、ド」」
 「神様ぁ。戦争はやだぁ。」
 「ガ、ガ、ガ、」
 「ド、ドッ」
 無音。
 
 ひたすら祈り続け、終わりの時をまった。目は軽くつむったまま。
 また、さっきの人が入室してきた。
 「シュー」という音が聴こえ、目を開けた。室内は、入室した時のまま明るい。
 「終わりましたから…。」
 「あ~、戦争は集結した。良かった。」
ベルトをはずしてもらい。楽になった。
とんでもないところに来てしまった。
 「結果は、月曜日です。」
 「はぁ。わかりました。」
 
 部屋を出て、通路を通り、エレベーターに乗り外に出た。
 「スゴイメディテーションだった。」
 月曜日には、今日の私の頭の中の画像を見ることが出来るのだ。それと、腕も…。
 自転車に乗って、コーヒーを飲みに行こう。
 
 やっぱり、メディテーションは必要だ。
 戦争はいらない。
 
2009.6.18.PM    麻梨
想像しかった。(笑)

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