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日  食
-部屋の窓から見える風景-
十数年前の出来事
 
 誰も住んでいない街中まちなかで思い切り古いコンクリートで出来た家の屋根、古井戸(ガー)、そして対象的なま新しいマンション、駐車場、窓の外に、たぶん、台風が来た時の為に窓ガラスが割れるのを防いだり、外部からの進入を防ぐ為のもの。でも部屋の中からの感じは…。「これって動物園の中の動物の気分。」
 朝の日射しが入ってくる。あー、また陽が昇る。でも、まだ眠れる暑さ。どんどん昇る。私は陽に部屋の中でもあたっている。けど、あ、あ、つ、い。眠い。眠っていたい。けど、あ、つ、いっ。この部屋は電気を入れていないし、クーラーなんてものはないし、もちろん、センプウキというものもない。
 こんなクソ暑いところでクーラーなんてものは、つけちまったらたちまち都市型クーラー熱で、また暑くなるし、冷房病などは、かかわりたくないのだ。と、うす目をあけて窓の外の太陽を見ると、「奇妙だ」「変だ!。」
 これは、私の脳みそがメトルダウン状態になってしまったのか? やばい、あのいつもの太陽が、太陽ではなく三日月型なのだ。あーびっくりした。良かった。やっぱり暑さで…。太陽はどんどん欠けてゆく、暑いけれども太陽が地球から見るとなくなっていくのだ。
 大昔の人々は大騒ぎだっただろう。
 最近は、日食フリークなるものが世界のあちこちを駆けめぐっている。世界の交通機関は便利になったものだ。そこいくと私は、いつだったか、子供の頃、ガラスにろうそくの火でススをつけて太陽を見ていた。まんまるだった。寝起きの頭が覚めてきて、自分のサングラスに手をかけた頃、窓の外の路地にサンダルでパタパタと走る子供達の足音が聴こえてくる。同時に私もサングラスをかけてドアの外へ飛び出した。「近くの公園で見よう。」太陽は、半月型になり、どんどん姿を変えていく。人の心もよどむ事なく、宇宙サイズで、変化そして進化していけばいいのだ。と、勝手に想っている自分なのでした。
 そのまま、「太陽が元に戻るといい…。」と、
 
 東京の路地も沖縄のここの様に子供達のにぎやかな声が聞こえてくる場所がまだ残っているのだろうか…。
 
 今年も、南の島の方では、7/22に日食が見えるそうで、2年前位から、離島では、対応しきれるかどうか心配らしい。普段はあまり人が来ないのに、この時ばかりは、世界中から人が大勢やってくるから地元の人は、大変そうだ。どうか、無事でありますように…。
 この夏は、なんとクーラー付きの部屋にコータロと移り住んでしまったのだが、やっぱり使わないでおこうかと思っている。真夏になっら、ビニールシートを張りめぐらせて、氷をいっぱい敷きつめて、南極のペンギンになったつもりで時を過ごしてみようかな?
 南極のペンギン達の家も、いつまでも、あります様、と、お願いしている今日この頃の私です。
麻梨    

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