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みなさまぁ、梅の花がほころび始めましたねー。
おめでとう!無事お正月をむかえましたかぁ~?大丈夫ですね。
2009 1月某日
『のみの市』 - 今回は飲む話しではありましぇん。 -
冬の晴れた日に…。今日のお陽様はぽかぽか。
コータロはお留守番。のみの市に久しぶりに出向いた。近くの神社。しょっちゅう散歩に出かけるのだが…。ふだんは、ちらっ、ちらっ。としか並んでなかったが、今日は、けっこう並んでる。『ん~。今日はけっこうイケてるんがいっぱいあるなぁ。』左側、古ぅ~い鉄びん。まぁるいのや角
かくぼったいの。大きいのや小さいのまで、かっこう良く並んでいる。酒屋の厚ぼったいエプロン?私の目玉は、どんどんでかくなる。いいなぁ。いいなぁ。“
ん?ん、
ん、ん、ん?こりゃ何だ?面白い発見!”右側の列。とたんに私の声が…でかくなっちゃった。
「おじさん!これなに!」目の前に、不思議なひき出し付きの箱がある。上からのぞき込んでみたり、横から見てみたり、どう考えてもわからない。
こっとう屋のおやじ、「これはなぁ、『こうどけい』だよ。」
「え?」また私は目が点になる。
こっとう屋のおやじ(ふくみ笑いをしながら、りっぱな口こうしゃくをはじめそうな感じ…)
私。「こんなんで高さ計んの?」
おやじ「ふっふっふっ。ちがう!」
私。「え?」(増々混乱に陥る。どう考えてもわかんない。こ、これは初めてみるしろものだぁ。)
「じゃぁ…。な、なにっ???」
おやじ「時計だよ。」
私。「どうやって統計とるの?。」おやじ、「ちがうって!」
私。(足は一歩引くが、上半身、目玉は現物を凝視したまま、完全に理解不能でうろたえているが…知りたい。この古い箱の正体を…。と思っている。)
まわりに人々が集まってくる。それも笑いながら興味しんしんに。おやじは、今にも、この現物について説明しそうダ。もぅ、たまらん感じであル。私はこういう感じが好きなのだ。
おやじ。「これはね。香時計っ!」
私。「え?時計なの?どぉ~やって使うの?」
私の後方。人垣が出来ている。私の声のトーンは高め。
おやじ、「これはなぁ。江戸時代のもんで、香をこのマス目の箱ん中に入れて、糸をたらして糸が香で焼き切れたら鈴が落ちて、鈴の音がするだろう?それで時を知らせたもんなんだよ。この番をする侍とかもいたんだよ。まあ、侍とか昔の庄屋さんとかお寺がつかってたもんだな。どうだい?」
私。「はー。昔の人は、またすごい物を創るもんだね。そーだよなぁ、今みたいな時計、あるはずはないもんなー、初めて見たよ。こんなの…。」
そして左前方に目をやると…「やややっ?これは?」(後方の人々もため息やら、ほぉーという声やらしているのだが…。また私の声に反応している気配。)また、わかんない物を発見してしまった。もうたまんなくコーフンしている。となりにいたおじさんは私の表情がおかしいらしく笑いころげそうになりながら見ている…。
(柄がついている…。)「これ。なに?」(雪の中で使う物かしら…?手に持ってひっくり返してみたりする。)おやじもまた笑いころげそーになりながら、見ている。
「何だろ?何だろ?ナンダロ?」(ん~。異常にコーフンしている私で困る。)
おやじ、「わかんないか?」
私。「これ、くま手の昔の新作かな?」
おやじ「おまえ、変へんだな(笑)くま手の昔の新作って何だ?(大笑)」
私の後方いる人々も(大爆笑)私自身、手に持たせてもらっている物を遠くにうでを伸ばして見たり、近くにしたりしてみるが、いっこうわからない。まったく箱の次はこれか。珍品を目前にし、かんはハズレ(かんじき。最近でいう、足にはくアイゼン似てはいるが…)後方の人々もだんだん前進してきている。
きっとここにコータロがいたらもっと面白いやりとりになっていたことだろう。またもや不可思議なものであル。でも柄が付いているから、足につける物ではないらしい©。
『まぁ、くま手に近いっちゃぁ、近いけどオシイね。』
『ふぅむ?何?オシエテョ』
「あー。それは…。」とおやじが言いかけたところ…後方から、また見知らぬおやじが出現。やりとりを聞いててて、しゃべりたくてたまらなくなった人物が現る。頭にはち巻をしている。
「あっ、それはネ。のーこうにつかうもの。」
私。「濃厚って?」「すごく濃ゅい話しですェ。」
はち巻おやじ「あはっ!あんた面白いね。そっちが聞きたいんでしょ?」
「えっ?、そっちが話たいんでしょ?」こっとうやのおやじ(ニヤニヤしている)なんのこっちゃ?
はち巻おやじ「これわぁ、田んぼで使うんだょ。田んぼでも深い所があるだろう?」
私。「んー。あるある。」
はち巻おやじ「おまえ、田んぼ入ったことあんのか?」
「ん、ある。」と私。
「オレんとこの田舎は腰まで入っちゃうとこあんだョ。」
「へー、でもその田んぼはすが植わっている田んぼじゃないの?」
「いや、オレんとこの田んぼは、深かったんだ。そういう所があるんだよ。」
「あー、そうなの。田んぼは楽しいね。」といきなり田んぼ談義になりそうになるが…。
私「で?、これは?」
はち巻おやじ「ん、草取り。」
私「あ、こら、便利だわ!画期的っ。すぐれもんですね!」もっとつっこむ。
「これは、なんていう呼び名なんだろ?」áこの質問には、誰も答えられなかった。
「これは、明治時代のしろもの。鉄のところは、昔は鍛冶屋が作ってたんだよ。昔の農機具の本なんかでみると、たぶん見つけられるよ。」
コーフンまみれの大感激だった。でも、お金にならない客で悪かった…。商売のかけひきまで行かない私だった。
どうもね。こっとう品屋のおやじにすまない気持ちを持ちながら、神社の奥まで進み、神様に、おさい銭10円を投げ、「パンパン!お金持ちになります様に…。」と祈る私でありました。また「のみの市」に行こう…。
めでたし。めでたし。 麻梨
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