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山茶花を 雀のこぼす 日和かな   正岡子規


山茶花の 花や葉の上に 散り映えり  高浜虚子


ふと咲けば 山茶花の 散りはじめかな 平井照敏






     






さざんか  Camellia Sasanqua Thunb.   〔つばき科〕

 九州,四国の山中に野生する常緑小高木で、多く枝をうち葉は茂る。また観賞用のためにも庭園に植えられることが多い。若い枝には立った毛がある。葉は互生し、葉柄がありやや厚く、楕円形で長さ3~7cm、両端は尖り、ふちに細かいきょ歯があり、葉柄や葉の裏面の脈上に細かいがあらい毛がある。秋の終り頃、枝先に無柄のやや大きな花を付ける。がく片は緑色で、鱗片とともにかわら状に重なり合う。5個の花弁は倒卵形で、平らに開き後に散り落ちてツバキのように花弁全体がつずいたまま首が抜けるような形にはならぬ。山地にはえている木の花は白色であるが、園芸品には種々の色がある。雄しべは多数、子房は1個で、細がい毛があり、花柱は三つに分かれる。さく果は球形で表面には細かい毛があり、3枚に胞背裂開し、少数の暗褐色の種子を出し、この種子から油をとる。

〔日本名〕多分山茶花から変ったものであろう。しかし山茶花と書いてこれをサザソカと読むのはよくない、山茶花は元来ツバキの名前である。 〔漢名〕茶梅,方言にカタシという。

-牧野植物図鑑-



 ♪サザンカ サザンカ咲いた路 たき火だ たき火だ 落ち葉焚き♪と言う唄がある。最近はあまり聞かないようだが、僕の小さい頃は、晩秋にはどこでも歌っていたし流れていた。僕の田舎には山茶花はなかったので、なかなかイメージを作ることができなかった。野生の花は白だそうである。ピンクや赤は人間が改良したものだそうです。今すんでいる庭にピンクの山茶花がある。季節になるときれいな花をつける。寒椿となかなか区別が付かないが、花びらがバラバラに散るのが山茶花である。(まもる)



     

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