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      幸せの青い鳥
えー子

フリーマケット出店。
鞄ーっにはいるだけ。赤字にならなければいい。
下駄が立ち止まる。
おじいちゃんと呼ぶには失礼かしら?と考えたくらいの歳の紳士。
意外なものに目を止めている。
お花の形の蝋燭。
「お水に浮かべる蝋燭です。」
「フロートキャンドルね。知っています」
知り合いが開くクリスマスパーティーの飾り付けに寄付するのだと言う。
素敵な事に使って貰えるのが嬉しい。
お買い上げ後に立ち去ったのを引き返して来て、茶封筒をごそごそ。
「はいっ青い鳥」
と差し出されたのは、水色の紙を鳥の形に切り取った青い鳥。
お礼を言い、しばらくの間眺めていて、顔を上げると
おじいちゃんはまだ居て、お互いにニッコリ。
人を幸せな気持ちにするって 簡単な事なんだ。

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