羽衣伝説(能「羽衣」より)
その昔、三保の松原のとある松の枝に美しい衣が掛かっていました。
漁師の伯梁がそれをとって帰ろうとすると、どこからともなく天女が現れ「それは私のものだから返してほしい」と願います。
それならばなおさら返すわけにはいかないという伯梁に、天女は天に帰ることができないと嘆き悲しみます。
それを見て哀れに思った伯梁が天人の舞を見せてくれることを条件に羽衣を返すと、天女は喜んで伯梁のために舞をまって見せました。そして、まいながら霞の彼方に消えていきました。
門松ということで松にしました。松の新芽がすっと伸びたものが一番好きです。宮本常一の本に松は、「新芽を先から二三本だし、次の年にその先から出すので、節を数えれば樹齢が分かる。」と書いてあったのでやってみると、十年ぐらいまでならよく分かります。日本では松にかかった羽衣が有名ですが、この羽衣伝説は、東南アジアから日本にかけてたくさんあります。天女と地上の男の恋物語であったり、内容も様々です。僕の好きな民話です。(まもる)