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           春近し

   連日、北国の大雪の報道に
   故郷の雪の記憶が蘇る。
   降りしきる雪に煙る山や川は
   僕の負性の多くの部分を占めていた。

     しかし、春分の頃となると
     もう、太平洋側の地域は春の兆しが見え始める。
     白い雲と青い空、そして何よりもまばゆい光。
     この明るさは何よりもうれしい。
     風のあたらぬガラス越しの日向はもう四月の陽気。
     今年はどんな春になるのだろか。
     なんとはなしに期待が膨らむ。
 
  人生の半分は、内に眠る自分の負性をばねに生きてきた。
  しかし、それもいつしかは出尽くしてしまった。
  そんなときであった、草や樹や動物は
               人間のようにひねくれず、みんな素直に生きている。
  僕も、この陽性のエネルギーの下で素直に生きることにしたのです。
 
    そして、
         木々が芽吹くときのように、
         花が春に花びらを開くときのように。
              ぼくも心の内を膨らますことにいたしましょう。
2005 2/3 Mamoru Muto

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