乱蘭通信９３号・ＮＨＫ受信料拒否

　ＮＨＫ受信料を払わない人がふえている。一連の不祥事に怒りの表明というわけ、とかいうけれど気がつくのが遅いですね。わたしはもう20年以上払っていないので今いくらなのか知らないが、たとえば2000円だとして、20年でいくらになるのだろう。

　アフガニスタンのことはもう忘れ去られてしまったのだろうか。ヒンズークシュの峰に雪が降らなくなってからふもとの暮らしは一変し、井戸は枯れた。干ばつはすさまじい砂と飢餓をもたらした。難民は首都カーブルにあふれ、国境を越えてパキスタンのペシャワールへ流れていった。ペシャワールを拠点に医療活動をしている日本のボランティア団体「ペシャワール会」によると、2000円あれば10人家族が1カ月食べられるのだという。

　ある年の冬、このままだと寒さと飢えで、200万人が死ぬだろう、子供たちの命はもたないだろうと、日本の心あるメディアは伝えた。NHKなどのマスメディアではない。政府も援助を決めたのだが、それよりはやく2000円、3000円という単位の善意が「ペシャワール会」に集まり、1カ月で1億円になり、会員になりたいと、会費まで振り込む人が「ペシャワール会」に殺到した。政府よりも早く日本の心ある人々の素早い行動が、ただちに小麦粉と食用油になった。マスメディアの力ではない。お金の使い方を知る、主体性のある人々のちからではないかと推測する。

　それはともかく、ジャパンマネーの力についてもっと自覚すべきだ。軍事費は世界第2位なのだ。日本国民の暮らしは大変になるばかりなのに在日米軍の基地は強化されようとしている。すべて「思いやり予算」だろうか。相模原と座間にまたがりキャンプ座間がある。アメリカ陸軍の司令部だとか。日本は米軍基地なのか。アメリカの犬でいいのか。誇り高き日本国憲法は、世界に先駆け、戦争放棄といっているのに。自衛隊はイラクに行っている場合なのか。

　せめて100円もむだに使ってはならない。たとえば自動販売機でだらしなく缶コーヒーなど買って中身は10円もしないだろう。缶が90円で、すぐに捨てられそのごみはだれがかたづけるのか。ただではないのだ。駅で小銭が落ちていてもだれも拾わなくなったこの国で、また忘年会だ、クリスマスだ、新年会だとむだに食料が捨てられるのは目に見えるようだ。　　　　　　　

　近ごろは畑の大根も抜くのが大変らしく収穫されない。ただ、惰性で習慣で税金対策で、畑に種を蒔き、見た目を畑だよ、という風に見せている。それでいて農薬をまくのだからいいかげんにしてほしい。こんな国滅びてしまえばいいのか。国やぶれてサッカーありとか。あまり怒ると免疫力が下がるので、マツケンサンバでも踊ろう。まったくわからないなあ。わたしにはわからない現象が多い。ヨン様だってそんなにいいのかなあ。2005年はちっとはましな年にしたいと思っている。希望だけがない国で。