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きはつくの 岡のくくみら 我摘めど
  籠にも満たなふ 背なと摘まさね
    (くくみら=韮) 万葉集


韮切って酒借りにゆく隣かな 
              子規

韮の花まろき幾つかうぶうぶし
     其の薄皮のみどりが透きて
           鹿児島寿蔵






























































    にら    Allium tuberosum Rottl.   〔ゆり科〕

 山野に自生しているのがあるが多くは畑に栽培する多年生草本で旧大陸の温帯にひろく分布している。全草に特殊のにおいがある。鱗茎は下端に短かい根茎がつづきせまい卵形で、外面は鱗状葉が枯れて残った繊維で包まれている。葉は2列に並ぴ立っていて幅4mmほどの細い線形で扁平、緑色で柔く濃い緑色で秋に葉の間から1本の茎を出し、高さ30~40cmに達し、少し押しつぶされている。その先端に半球状の散形に白花をつける。花は径6~7mmで柄があって少し密生している。花被片は平開し、長楕円状の皮針形で先端は鋭尖し、純白である。雄しべ6個は花披片より少し短かく、基部はひろがるがここに歯はついていない。やくは黄色。さく果は倒心臓形で3片に胞背裂開し、6個の黒い種子を出す。葉を食用にする。
〔日本名〕ニラは古くミラ(またコミラ)の転じたものといわれている。しかしミラの意味は不明である。
〔漢名〕韮。もと本種にA.odorum L.の学名をあてたが、これは欧州産の別種である。
                    -牧野植物図鑑-




 韮は僕大好きな野菜です。葱坊主も韮も百合科の植物です。あの小さな花を拡大すると百合の花のようにロート状になっているのでしょうか、今度じっくり確かめてみましょう。
 小さなときを思い出すと、韮は薬草として使った。どんな傷薬より韮のほうが効いた。打ち身、切り傷、化膿したところなど、臭いけど韮をつぶして患部に巻いて一晩着けておくと、見事にはれはひいた。靴下なんかほとんどはかなかったから、よく靴づれで足を化膿させていたが、この処置でほとんど治った。
 前回の「アザミ」を食べないと書いたら、早速八王子の児玉さんより抗議の指摘を受けた。花も葉も茎も食べられるそうです。茎のきんぴらは大好きといっていました。ここに訂正しておきます。  (まもる)

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