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ちょっと淋しく
 
    旧盆の終わった頃の
    ちょっと物悲しい気分。
 
     暑さも 朝夕は少し涼しくなり
     だいぶ早まった 夕暮れの中
     群れ飛ぶ赤トンボも 数を増した。
 
      何とはなしに 感じられるこの淋しい気分
      この世の深い縁に ちょっと触れたような
        しんみりした 「もののあわれ」な気分
      なかなか 素敵な夏の終わりのいい気分。
 
 
         長い独り身の生活には
         時に ちょっと踏み越えて
         苦しいほどの淋しさに
         さいなまれたことも あるのだが
         すぐに押し寄せる 日常という波の中に
         掻き消され いつしか忘れ去られてしまった。
 
 
          毎日が、お祭り騒ぎの
          バブルの頃の狂ったけばけばしさは
          どうも僕には合わず苦手な事々です。
 
 
      夏の終わりの
      澄んだ青空と群れ飛ぶトンボと
      頭を垂れ始めた稲穂と
      赤紫の小さな萩の花と に感じた
      このしんみりした気分が 僕は好きだ。
 
2004 Aug.22 Mamoru Muto
 
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