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     世をいとう心薊を愛すかな     正岡子規


     口をもて 霧吹くよりも こまかなる
             雨に薊の 花はぬれけり
                      長塚 節





















                       あざみの歌  
                        作詞 横井弘   作曲 八洲秀章
 
        1 山には山の 愁いあり 海には海の かなしみや
          ましてこころの 花園に 咲きしあざみの 花ならば
 
        2 高嶺の百合の それよりも 秘めたる夢を ひとすじに
          くれない燃ゆる その姿 あざみに深き わが思い
 
        3 いとしの花よ 汝はあざみ こころの花よ 汝はあざみ
          さだめの道は はてなくとも かおれよせめて わが胸に
 
 
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 沖縄の八重山では、とげを「あざ」と呼ぶことから、「あざぎ」(とげの多い木)と呼ばれ、しだいに「あざみ」になった。 
 また、「アザム」の言葉に由来するという説もある。「アザム」には「驚きあきれる」とか「興ざめする」の意味があり、花が美しいので手折ろうとするとトゲにさされて痛いので、「驚きあきれ、興ざめする」ということからこの名前がついたらしい。
 
 
     【花言葉】  9月14日
     【誕生花】  独立、 Independence 触れないで
 
     【イギリスの国花】 痛いトゲで敵から国を守った花として国花となっている。
 
 
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   のはらあざみ Cirsium Tanakae Matsum  〔きく科〕


 本州北、中部の乾いた草地にはえる多年草。茎は高さ1m内外で花茎状となって分枝し,基部は太い.根葉は花時にもあり,長さ30cm内外、長楕円状皮針形でふつう8~12対、まばらに中裂し、裂片には欠刻があり、するどい刺毛があり、しばしば紫色をおびる。茎葉は小形でまばらに互生し、裂片は不整に歯状にさけ、その端に刺毛があり、無柄で基部は茎を抱く。晩夏から秋にかけて、茎の上部で分枝し、紫紅色の頭花をつげる。頭花は花柄が短かく、しばしば2~3個集まって着き、直立し、総包は鐘球形で幅1.5~2cm、くもの糸状の毛があり、総包片は短かい刺針があって斜上し、平開や反曲はしない。また粘着もしない。ニッコウアザミはこれに似て葉は2回羽状に細く中裂、裂片問のすき間がせまく、茎はあまり分枝せず、析木県日光附近の深山に産する。
〔日本名〕野原薊は原野に多いためで著者が命名した。-牧野植物図鑑-

 現在、「のあざみ」と呼ばれる種のあざみと同じものだと思う、学名もそうなのかは分からないが。(M)



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 有名な「あざみの歌」はあるのだが、歌に読まれたアザミをインターネットで探したのだが、正岡子規、長節節の歌は見つけたが、古代は勿論、近世、現代に到るまであまりない。食料になるわけでもないし、重要な薬草でもなく、見栄えもぱっとしないとなれば当然のことかも知れない。しかし、外せない花でもあります。それは、僕らの最も身近な野や山のどこにでもあり、僕らに自然を感じさせてくれる花だからだ、と思います。今回この花の花言葉が「独立」という。また、棘が国を守ると言うことでイギリスの国花だそうで、平凡どころか、ふたつを合わせれば、「気位の高い戦士」といった意味になりますか、また好きになった。9月14日の誕生花だそうで、册册咲く季節は長いので、夏の花と言ってもいいでしょう。      (まもる)


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