春の嵐
雨が雪に変わり、又雨となる。
南風が吹き荒れ、大きな杉の木がきしんだ。
夜には北風に変わり、
そして、今日はまっ青に晴れ上がった。
目まぐるしく日替わり定食ごとく変わる天候。
一雨ごとに雪なることが少なくなり、
ゆっくりと本格的に春に向かう。
時に吹き荒れる南風は、
固く固まっている土をほごす。
いつしか慣れっこになってしまった、
今日きょう、明日あす、明後日あさって。
なにがしら保守的になっている自分に、ふと気付く。
十年前より、なにやら身のこなしが重くなってしまった。
春爛漫の桜吹雪が吹く荒れるためには
風が吹き荒れ、雨が降らなければならない。
南風はかじかんだ土塊を緩まし、
雨は、山路に落石や崩れた小石で山を作る。
土手には蕗の薹が顔を出し、
白梅紅梅がまだ寒い日溜まりをはなやかせている。
時に台風並みに成長する春の嵐。
固まり始めた僕の心の中まで吹き抜けておくれ。
そして、僕にも新しい若芽を育てておくれ。
Mamoru Muto 11th march 2003