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     さんざら捨てたもんじゃない

 

     突然、目の前に素敵な女性が現れたわけでもないのに

        まんざらではないなどと思っている。

       きっと僕は馬鹿なんだろ。

 

     悪いことも二三あるけど、

       それらが重なり、たいへんだというわけではなく

       どちらかというと、平々凡々な昨日今日。  

 

     若い頃なら

       「蛇の生殺し」とさぞかしイライラしたことだろが、

      ここはちょっと大人になって

       「あまり考え過ぎず」などと心の安全装置が働いている。

 

    占いによればここ一二年は運気が弱いとのこと。

       どうも最近僕が軽くなってしまったようで、

       人の動きに僕が勝手に動かされていると言うか、

       振り回されていると感じることが多々ある。

        じたばたしても始まらない。

       まあここは、これ以上悪くならないことを可よしとしようか。

   

    春には蒲公英たんぽぽが咲き、綿の落下傘となって風に飛んでいったし、

       雨の季節には、アジサイが青や紫の花を付け、

       今、夏の日差しに茶色に干からびている。

       今年もなんとかここまでやってきました。

 

    この前、落として出てこないと思っていた財布が出てきたり、

       昨日、たまたま通った神社の御神籤が大吉だったり、

       細々だが、仕事が無くならずに済んでいる。

       これはまんざら捨てたもんじない。

 

    人生こんな時もある。

       悪く考えてもなあんにも始まらない。

       赤とんぼならず、極楽トンボになったほうが勝ち。

       きっとこの大吉は大大吉の兆し、

       秋には、新しい素敵な冒険の始まるはず。


    そうすべて、いいことと思うことにしょう マル。

 

Mamoru Muto 2002/7

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