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堀田生代未の
≪恋し懐かしはやり唄≫日記

 

 堀田生代未と申します。大正昭和流行歌のうたい手です。私には双子の姉、きよみというのがいますが、バンドばかりやっていて、もらったギャラの2倍は飲んでしまう。さらにまたよくたべる。、、、というわけで、我が家にはいつもお金がありません。

 「私が稼がなければ、、、、、。」と、おもいきって新聞広告を出しました。「大正昭和 流行歌 出張演奏いたします。」、、、、こうして私のキャリアが始まったわけです。あちこちのお祭り、宴会に出向いてうたっております。

カチューシャの唄(大正3)、ゴンドラの唄(大正5)、十九の春(昭8)、東京ラプソディー(昭11)、

シャンラン節(昭18)、リンゴの唄(昭20)、夜来香(昭25)、月がとっても青いから(昭30)、、、、、

 いいですねえ。 ん~~~~アンティック。 ~カチューシャか~わぁいぃ~や 別れ~の~つ~ら~さ~(カチューシャの唄) 私も好きなんですね、なんだか歌いたくなってしまう。 この仕事を始めてから、年配の方とお話をする機会がずい分と増えました。おもしろいもんですよ。特に戦争中の話なんて、これから先、聞けなくなっていきますからね、直には。

私はそういう話、とっても貴重だと思います。

 私にとってはアンティックな唄でも、年配のみなさんにとっては思い出の唄。お酒が入ればもうおおはしゃぎ。うたうは(もちろん私より詳しい)、踊るは、なんだか子供みたいになっちゃう。

そしてたまに、じ~~っと昔を思い出している人がいのです。。そこにうたが吸い込まれていくくかんじ、、、、、、一瞬私もその時代に触れたような気がしました。

 いいなぁこの仕事。コミュニケーションってなにかとっかかりがいるじゃないですか。うたはまさにそれ。でもせっかく私が稼いだささやかなお金も、姉に飲まれてしまいそうで心配です。にでもいれて隠しておくつもりです。

 では一曲歌いましょうか。そしてごきげんよう。

  な~が~す~涙~も 輝きみちぃし~ あわ~れ~十九の 春よ~~春

  すみれ 摘~みつつ 散る白露に あわ~れ~十九の 春よ~~春 (十九の春)

 

hotta kiyomi

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