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もみじ・カエデ・もみじ                                        



 

十月、時雨にあへる、黄葉もみちばの、

吹かば散りなむ、風のまにまに

大伴池主

あしひきの、山の紅葉もみちに、しづくあひて、

散らむ山道を、君が越えまく

大伴家持




  

たかおもみじ(もみじ、いろはかえで)  〔かえで科〕
   Acer palmatum Thunb.

 本州,四国,九州の山地に普通にみられるが,人家にも栽培する落葉高木.対生の葉はやや円形掌状に5~7に深裂し,基部は心臓形または切りとった心臓形を示す.裂片は卵状皮針形で鋭く尖り,鋭いきょ歯がある.若い時に柔かい毛があるが生長するに従いほとんど毛がなくなる.葉柄は細長くて毛はない.春に葉とともに暗紅色の小さな花を散状または複総状につける.がく片,花弁とも5個,雄しべは8.翼をもった果実は毛がなくて小さく,翼の長さは1cm位.秋の美しい紅葉を観賞し,多くの園芸品種に富む.
 〔日本名〕高雄カエデは,京都の高雄山(昔から紅葉の名所として有名)に多いことによる.カエデは蛙手の意味で葉の形の類似からきた.特にモミジとよぶのは紅葉(もみじ)が他のものより優れていることによる.イロハカエデは7裂する葉の裂片をいろはにほへとと七つ数えることからついた.
 〔漢名〕楓,槭樹はともに誤り.鶏寇木とか鶏頭樹は日本製の漢字名.なお楓はフウ(まんさく科)である.

-牧野植物図鑑-





カエデともみじ

 カエデの名は万葉集に「かえるで」とあることからきます。葉の形がカエルの手(足)に似るからといわれています。また、とさかのように紅いことから「鶏冠木」とも書かれました。
モミジの方はカエデ属という特定のものでなく、秋になって葉が紅くなることから紅葉する樹木の中でカエデ類が代表であるのでカエデ属をモミジというようになったとされています。
植物分類上ではカエデともみじは区別はしません。

写真は日本のカエデの色々な葉の形


カエデの外国名:
maple(英米):メープル、 Ahorn(独):アーホーン、
erable(仏)、aceri(伊):アチェリ、槭(中国)、暴馬(朝鮮)

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