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思いつくまま

武藤 守

古代史がおもしろい

最近「罰があたる」とか「祟る」とあまり聞かなくなったけど、古代においては、祟り神を祭ることが政まつりごとと同意義であった。最近読んだ本で大和朝廷の成立過程で、後世の藤原氏の追い落としされた菅原道真の祟りを鎮めるために天神として祭る。(人間が神になる)と同じことが起こった。と言う仮説を立てて述べていたのでおもしろくてすぐ読んでしまった。新しい遺跡の発見などの物証も続々発見されているので、説得力がある。

 それの本によると、天皇の一族は勝者であり次に闘いに負けたが、強い「祟り」起こったので又復活した。故に、初代天皇(当時は大王)は祟神で、「祟り」を鎮めるために擁立されたのであり、「祟」の字を冠した名前になったと。また、天皇家の最高神が天照大神と言う女神であるのも、闘いに負け祟りがになったのが祟神の母の神功皇后や邪馬台国の卑弥呼と言う女王で、彼女が神になる過程で、最高神が女神ならざるを得なくなった理由である。それ故に、天皇の不可侵性が生まれた。その政変を天神と出雲神の国譲りと言う神話が表わしていると。

 その神功皇后と言う女王は、もともとはヤマトが邪馬台国がもっていた「倭王」と言う権威を手に入れるために北九州の邪馬台国に送った政略結婚の花嫁で、邪馬台国乗っ取りには成功したが、内部分裂を起こし殺された。しかし、丁度その頃日本列島が寒冷化した時期で、ヤマトで飢饉が連発することになる。それは女王の祟りと言うことで彼女の怒りを鎮めるためには彼女の子の祟神(彼は隼人、南九州に逃れていたのだが)を王に迎えて祭ることにした。神武天皇は後世作られた神話で実際は祟神が耶馬台国、ヤマトの両方の王になったことを表わしている。卑弥呼は天照大神、神功皇后は豊受大神として祭ることにした。

 日本書紀が成立したのが持統朝で、藤原不比等が大きな影響を及ぼした。不比等が日本書紀を作った大きな目的は、神功皇后や祟神の側近であった蘇我氏の先祖の功績を抹殺することもしくは小さくすること、天孫降臨の神話の中に藤原氏(中臣氏)の優位性を明記することであった。祟り神になってしまった天皇家は乗っ取れない。朝廷成立当初の故事は明記できない。そこで「神話」と言う半抽象の話にしてしまった。

 天智天皇と言う人は律令制度の基礎を作ったと小さいとき学校で習ったけど、彼はそんな進歩的な王ではなく、暗殺によって次々蘇我系の王子を殺し、クーデターで蘇我氏を滅ぼした。当時の国際情勢にうとくて、朝鮮に出兵して大敗北をした保守的王だと書き改められつつある。壬申の乱で蘇我系豪族が復活するのだけど、天武死後、やっと朝廷に戻った不比等は、蘇我系豪族の追い落としの静かなクーデター実行した。そのための本が「日本書紀」である。・・・・とね。

気晴らしにドライブにいった
天竜川近くの山の中で見つけた花。
色々調べてみたけど花の名前は分からない。
写真 →

右派

 八月になったら連日「靖国神社参拝」云々ニュースでやっている。ある程度仕方ないかもしれないですね。不景気とか、経済的にどんずまりになるとこんな右派的発想が幅をきかせてくる。

日本人がみんな右翼になったわけじゃない。改革をするために「力」を欲しているだけ、先の戦争を反省していないわけじゃない。と思うけど。ただこれから経済の改革がうまくいかなく閉塞状況が更に続けば更に右傾化する可能性がある。

 僕も日本人だから日本人の文化、感性、習慣は大好きで誇りさえ持っているけど、でも明治以降作られた国家主義的ナショナリズム大嫌いです。戦後のアメリカには何も言えずに相変わらずアジアの人々は見下す。何にも国家としても民族としても自立できていない証拠です。

 でもあまり心配していないのは、多くの人はそれを知っている。目先のことが解決すれば、おのずと世の中はいい方向に進むと思っています。

神戸の伯山さんからの絵はがき      NADYA’S Village 1997

 

アイ・アム・ア・宇宙人・リビング・オン・ザ・地球

 青い太陽と赤い海、黄色い海と白い山、紫の大地とオレンジの町並み。思い出すな、僕がマモ星雲バルカン第三惑星を離れるときのことが、宇宙空港まで見送りに来てくれたププちゃんが「私も看護婦のライセンスとったらすぐ地球に行くから」と言ってほっぺにチュとキスしてくた。カアチャンとトウチャンが「自分から辺境銀河のそのまた辺境の太陽系勤務を希望するなんて、変な子だね。」と言って笑って送ってくれた時のことが。1300年前の蒸し暑い日だった。そして、それから100年後に届いた宇宙郵便。「私別に好きな人できちゃったの、だから地球には行けない。」というぺぺちゃんの手紙。「ならいいや、バルカンになんか戻るものか」と地球人と完全同化を決めたあの日も蒸し暑かった。

 僕は知っていますよ。この新聞の読者の皆様も色々な事情で地球に同化して、純粋地球人と外見からはまったく分からないけど、時々夢の中に故郷の星の風景が出てくることを。kさんは優秀な宇宙連邦の辺境警備隊員だった。休暇で近くの地球に降り立ち地球の女に恋をしてしまって、身も心も地球人になろと思ったことも。hさん家族は宇宙難民で、いつかは自分の星雲に帰えることを夢見ていたが、戦争がなかなか終わらない、そのうち地球人としての生活に慣れてしまった。wとg、あいつらは善人ずらして地球人に成り済ましているけど、M56星雲警察に追われる泥棒なんです。凶悪犯なんです。地球では悪い事していないから正確にはだったですけど。

 「そんな宇宙人だった記憶もなれば、そんな夢も見たことない。」いって、乱蘭通信を読むこと自体、そこに原稿を書きたいと思うことならなおさら、無意識なせる業、あなたの宇宙人の遺伝子がそうさせているのです。

 かの巨石文化を作ったのは、キュクルス星の植民船が地球に不時着して、銀河系中心部への植民を断念して、地球植民最初に作った彼らの仕事です。彼らは地球人との混血をくしかえす事によって、地球人と同化してしまった。ほかにもたくさん証拠は上げられます。

 そうなんです。地球は地球人、いや地球生物と、様々な理由で地球にたどり着いた宇宙人の星なのです。それを地球人どもは知らない。知らないどころか、変人、おかしな人、お化け、とかいって軽蔑している奴さえいる。これをお読みの読者のみなさん、今こそ地球は地球人のものではなく、地球全生物と帰化宇宙人のものであることを主張しようではありませんか。
           ムトウ君かっこいい パチパチパチ・・・・・・

 

 さてと、今回は初回として彼の有名な「かぐや姫」の本当の話をいたしましょう。僕の恥も書かなくてはならないのでちっと気が重いのですが。挨拶代りに勇気を持って書きましょう。

 地球いやこの星域、太陽系星域は宇宙連邦の自然保護地区なんです。「宇宙文明に汚染されていない貴重な星域」ということになっているのですが、文明人は、学者と保護官だけかと思っていたら見たら、いるはいるは宇宙人が、うまく姿形は地球人に変装して、連法の法律を無視して住み着いている。中には記憶まで完全になくし地球人になりきってやつまでいる。

 その話はまた別の機会に、「かぐや姫」ちゃんのお話ね。地球に来て200年頃かな、かわいい子だったんです。お父さんとお母さんが伝染病で死んでしまって、おじいちゃんとおばあちゃん(二人とも40歳前後か)に今の奈良盆地の外れ吉野の方に住んでいたのです。山で道に迷っていたら、「もし、旅のひと、どこに行きなさる」と声がする。おじいさんだった。おじいさんといっても年は今の人り老けているけど初老の体格の好い人でした。カメ(かぐや姫の本名)ちゃんがおじいちゃんと呼んでいったのでおじいちゃんと言うことでゆきまょう。

 「家で少し休んで行きなさい。」ということで彼女にあったのがその時最初。彼女は数えで確か10歳。ほんとうにかわいい子で、利発で、よく一人で空想しているのが好きな子でした。「唐土の王子様が私を向かいに来る」とか、「空の織り姫の館に行ったことがある」とか空想した話を僕にしてくれたのでついつい僕も、「僕は空の向こうから来たんだよ」と本当のこと言ってしまった。そうしたら彼女は本当に信じてしまって、気付いたときは「月の国の人、天帝のお使い」ということになってしまっていた。

 あまりにもかわいいし、話を聞くのがたのしいので、それから半年に一度ぐらい「吉野に花見に来たついで」とか、「伊勢の親戚の家に行く」とか言って立ち寄って、彼女の空想話の相手をするようになった。そして13歳になった年に、カメちゃんが「一度、都に行ってみたいのでつれていってほしい」と言い出すので、僕も仕方なく、秋の満月の夜僕の宇宙ヨットに乗せて、京の都に行ったのです。地球人には「天神の乗る牛車」いう三次元フォトグラフで仮装して。じいさん、ばあさんが寝た後と云うことだったけど、しっかり見られて、また都の人にも見られててね。一番いけなかったのは、連邦の保護官に見つかったことで。時々しか地球近くにいないのに運が悪かった。そしてこっぴどくしかられて、「保護区立ち入り許可が今後ともほしければ、宇宙船を見た、実際は天神の牛車なんですが、記憶を消すこと」という条件付き始末書を書かされた。カメちゃんとじいさんばあさんの記憶は消せたけど、都の人までは無理だよね。

 「天人の牛車」を見た人たちがそこに尾ひれをつけて「かぐや姫」の話にしてしまったのです。なあんにも悪くないよね、僕は物語りという夢の素材を作ってあげたのだから。そうそう、カメちゃんね、近くの村の青年と結婚して、子供5人も生んだ。記憶を消す過程で空想する力も少し消しちゃったらしく、それからすごい現実的な女性になってしまった。亭主いい奴でしっかり尻に敷しいていましたよ。

 恥というのは、保護官に捕まったこと、いまだに地球にいる宇宙人に馬鹿にされています。「あんな、学校出たての連邦ポリスに捕まるなんて、どじもどじ」とね。

 

                         おしまい。次回は浦島太郎のお話。

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