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禁煙

 これだけは僕は死んでも駄目だろう。と思っていたのだが四月四日から今のところ続いているので自分でも驚いている。このところの気温の変化に体調を崩してしまって、煙草がまったくおいしくない。更に体調だけでなく眠くて眠くて、精神的にもおかしい。春先はいつもおかしいのだが。どうもこのアンバランスさが今回に禁煙にはプラスに作用しているらしい。

 人間の習慣とは恐ろしい。無意識で指が煙草を探している。30年間の癖ですから、とは思うけど。今のところ、吸ったときの気持ち悪さのほうがかつているけど、意志力だけでは止められるものではない。呼吸がとても楽になったり、匂いや味の感覚が敏感になったり、止められる条件を整えて行くことにしよう。死んだ吉沢さんがやっていたよもぎ煙草はなかなかなので、そこにミントをブレンドした武藤ブランドを作ろうか。ここまでできたら「絶煙」できます。

 

若葉萌える

 春も若葉の頃になってやっと本番という感じがする。桜や桃の花より僕は若葉の緑の方がずうっと好きだ。毎年同じことを言っているような気がしているが、いつもそう感じるから仕方がない。いいものはいい。

 今年は三月二十日ごろから調子がおかしい。春はいつもそうなのだが心も体もアンバランスになる。そんなわけで禁煙して少しでも健康になろうと考えたりもしたのである。桜じゃ駄目で、若葉の季節になってやっと落ち着いてきた。

 晴れた日、暇にまかせ車で山路をドライブする。足の向くまま、ハンドルの向くまま、くねくねした谷ぞいの道を行く。海水浴用の簡易ベットを木漏れ日の下に広げ横になる。

 「ああ、僕にください、あなたたちのこの健康的な若々しいエネルギーを」と。

 「もっともっと、僕は立ち上がる元気もないほど疲れてしまった。僕の中には老化物の堆積が充満している。もつともっと下さいあなたたちの健康的な若いエネルギーを!」

 などと詩人になってしまったのだろか叫んでいる。

スカナと粒鉄砲

 この季節になると思い出すことも色々あるが40年も前の子供の遊びで、もう田舎の子供たちはやらないと思う事がいくつかある。

 一つは「スカナ」摘みで、子供のおやつがわりで塩をつけて食べていた。スカンポのことで、園芸店に行くと「ソレル」とかいう名でヨーロッパ産のハーブの一種とかご丁寧に鉢植えで売っていたりするのでおかしい。サラダに入れると酸味がおいしいのですが。

 それを食べる前にすべきことがあり、それが作れて一人前なのである物があった。ほうのきで作った塩入れである。スカンポを食べるより塩入れを作るほうが僕らには意味が大きかったように記憶している。

 またよく粒鉄砲を必ず作った。杉の木の雄花、花粉をまき散らす元凶で最近では非常に評判が良くないが、けして杉が悪いわけじゃない、戦後の林野行政と大気汚染と過度な衛生観念とすべて人間の側に原因がある。米つぶ状の雄花を鉄砲玉とし笹や小竹を銃身とした豆鉄砲である。春休みの間、パン、ビシッ、とやっているうちはいいのだけど、新学期が始まり学校に持ち込むとしばらくして、毎年のように「粒鉄砲禁止令」が出た。

麦秋
 これから半月か一か月過ぎるとこの季節にるとが、この言葉の響きはなかいい。昨今なかなか麦畑をみかげなくなったが、同じ季節表現の「竹の秋」同様、初夏なのに秋なのである。この逆説的な表現が色々なことを想像させる。強い初夏の日差しと陰、青葉の若さ、年上の女性との行きずりの恋、甘酸っぱいイメージと重なって、三十年も逆上ったような気分になってくる。強い光の中の白昼夢。日傘とひなげしのドラマ

 

 

「マモとメグラとキヨミと・・・のがらくた市」

アートランド一周年・6月22日・at ArtLand

ただいまなにして遊ぶか思案中

 アートランド一周年と言うことで何かしてほしいとのこと、次ぎのような企画を考えました。めく゛ちゃんの家にある彼女の宝物・・・「ぺこちゃん人形、木の椅子・・」とか僕の昔の作品とかの展示、きよみちゃんのライブとか、食べ物も用意して、何人かに加わってもらって楽しくやるつもりです。最近話がきたばかりでですので、五月の末ごろまでチラシを作り遊べる仕掛けを作る予定です。



絵・安田良宏 




























最後に
 ○菅野幸江ちゃんは僕の従姉妹です。しっかりいいおばさん(失礼)になってしまいましたが、僕の妹分で、利発で叔父さんの宝物のように可愛がっていたのですが、大学に入った頃に中退するやら、家出をするやら突然不良になった。すべておまえが悪いと言うことで、それ以後お叔父さんには口も聞いてもらえなくなった。彼女がパンダファンになるのには理由があって、彼が幼稚園や保育園のボランティア活動を積極的にやっているからです。
 ○今回も千葉さん安田さんの写真や絵をこんなコンビニの白黒コピーで皆様に紹介するのは大変申し訳ないことかも知れません。しかしメデアというものはこれがカラーになり高品質印刷になったからいいのではありません。メデア媒介が高度になればなるほど見るものの想像力を奪ってしまうものです。心は十分白黒コピーで伝わるものと思っています。
○今回も幸いにして新聞を出すことができました。原稿をお寄せいただいた皆様、またこれを読んでいただく皆様ありがとうございます。今回は写真やチラシ多くなりました。写真類はインターネットにつないでいる人はカラー画像で見れます。次回は6月末か7月始めに予定しています。今回原稿を寄せていただいた方々は次の人々です。千葉純市、星野修三、菅野幸江、安田良宏、山崎史郎の各氏とムトウでした。

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