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 この本は飛鳥奈良時代の女帝の研究書です。今ドンドン書き換えられようとしています。歴史が今まで男性の研究者により男性中心に書かれてきたかからです。女帝達は今まで繋ぎ、飾り物として語られてきたのです。しかし、彼女らは豊富な政治経験と信頼感でその地位に就任し、多くの変革を成し遂げていることを証明した本です。

 例えば、聖徳太子という人物は存在しません。厩の皇子が推古帝の政治見習として、手助けしていただけです。聖徳太子の偉業は推古帝の政治判断により決断されたものです。
 唐、新羅連合軍と戦い、白山江で敗れた戦争では、斉明女帝は、最高司令官として北九州に赴き、そこで亡くなっています。息子中王兄皇子では役不足、大軍をまとめる力はなかったのです。

 古代史は十年経つと、今までの常識が書き換えられます。中国の律令制が定着し中国化が進むまでは、日本は男女平等、女王達が大いに活躍していたのです。 (ま) 


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 義江明子(よしえ・あきこ)

 1948年生。1971年、東京教育大学文学部史学科卒業。1979年、東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在,帝京大学名誉教授。文学博士。日本古代史。著書に「つくられた卑弥呼」(ちくま文芸文庫)、『古代女性史へ招待』(香川弘文館)、『日本古代女帝論』、(塙書房、角川源義賞)、『推古天皇』(ミネルヴァ書房)など多数。


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