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嬶天下、カカアテンカ 


 歴史書は書き換えなければなりません。
 明治維新は幕末に志士が生まれ、革命が成功し、新政権が生まれ、産業革命が起こって近代国家が生まれた。歴史書では全てそこで活躍したのは男達です。しかし、その資金を作り出したのは、全て女達だからです。

 お茶、生糸産業は女の仕事なのです。繊維産業は古代から、麻、生糸、綿は女が主役の産業だったのです。農業ではありません。栽培、育成から糸し、機織りをして、布製品を作るのですから、農業を超えています。男は女のサポート役と言えます。夫婦の共同作業により高収入得ていたのです。
 幕末から明治時代、生糸やお茶は日本の主力産業でした。 それを外国に売って鉄砲や戦艦を買い、西洋の技術者を招いて産業革命を起こしたのです。
 基本となる女の力を無視したのが今までの歴史書なのです。高収入を得て、家族を支えたが、歴史の表舞台活躍したわけではありません。
 更に、産業革命で最初に出来たのは繊維産業です。繊維産業の主体は明治になっても変わらない。女性です。近代的工場の女工は士族の娘達です。当時のエリートです。

 経済が発達すると格差が起こります。貧困者も生まれます。秩父困民党や女工哀史も生まれます。それは怒るべくして起こった一つの現象で、日本全体では桁違いに豊かにしていったのです。その中心に女性がいたのです。
 それ故「嬶天下」という言葉が生まれ、家族をや豊かにし、日本の近代化に寄与したと言う意味を忘れては困ります。

 貴族は絹製品、庶民は麻製品というののも間違った見方です。生糸を作り機織りをして絹製品を作ったら、まずは家族の晴れ着に仕立て、庶民もそれなりの贅沢を楽しんだのは当然ことです。
 女性の人権とか社会進出とか言うなら、こう言ったまだうもれている、生き生きとした女性達の歴史を掘り起こす事です。無理のない男女平等の社会在り方を示唆してくれることと思います。

2021.2.9. Mamoru Muto

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