乱蘭通信176号・思い出すまま   ↑prev next↓

 老舗企業
 日本には古い企業が多い、100年以上続く企業が10万社以上あると言います。その数は世界でもダントツです。
 大阪に「金剛組」という宮大工の会社があり、創立は飛鳥時代、1400年の長きに渡り存続しています。勿論、世界の一ですし、世界の公的機関が認める、最長寿命企業です。
 世間に役立たずの会社や組織は、権威ある老舗であろうが潰れます。戦乱から続いたり、外国のものが押し寄せてきたり、時代は大きく変化しながら進んで来ました。老舗企業はその時々の変化に柔軟に対応して来たから、生き残っているのです。世間の要求も変わります。その都度それに順応して来たのです。
 バイオやITと言った現在的な要求に、新たな技術と製品で対応し、現代文明になくてはならない存在感を示しているのです。
くずの花。
秋の七草のひとつ、可愛い花をつけます。
 老舗企業は一応に、初代が始めた製品や哲学を守っています。更に現在要求されるものを新たに提出して生き延びているわけです。長い伝統があるが故、世の中の荒波に流されず、必要とされる新たなものを提出しているわけです。
 日本の企業の恐らく強みはここにあるのだと思います。企業の哲学がしっかりしているから、世の中の変化に自由に対応できるのだろうと思います。
 更に一応に金儲けに流されない、謙虚さを永続の哲学として掲げ、社会貢献を忘れることを戒めています。
 
 室町時代、大貴族や寺社仏閣の仕事していた職人達は、彼らの没落と共に、市や座と言った組合を作り、得意先を広げ、町人として自立して行きます。彼らの掟に、「血縁に拘らず、優秀な弟子に仕事を継がせよ」というものがあります。技術や組織の継続を第1番目に上げているのです。
 老舗企業はそんな職人達の伝統を守っているのです。娘がいれば優秀な部下や弟子に継がせ、全く血縁ない人に組織を委ねる。伝統と哲学を守ってきたのです。
 
 同じ東アジアの国、中国や韓国の父系社会にはない、柔軟性です。一族支配型企業では、時代の流れには対応出来出来ず、三代四代と重ねるほどに継続が難しくなって来るのです。
 日本のバブル崩壊以降、かっては金の亡者のように世界から嫌われた日本の企業が、お金と言うメッキが剥げ、素顔が見えてきて、世界の人もそれを認めるようになった。嬉しいですね。
 
 日本がこれだけ老舗企業が残った一番の理由は、島国で他民族に支配されていない。という事です。職人の地位が高く古くから尊敬されていた。などあげることが出来ます。
 朝鮮半島に老舗企業が少ないのは、日本の責任です。中国は革命で多くの老舗が断絶した。日本人の努力だけではなく、歴史的幸運の中で、沢山の老舗が存続したということですので、謙虚にそれを世界に還元することを忘れてはなりませんね。
 

ちょっとブレイク・秋の雲

 
 オスプレー リスクは公平に
 僕は横田基地のすぐそばに住んでいます。10月から、横田にオスプレー正規配備されました。九月の友好祭では、そのためのデモンストレーション飛行が、一番の展示事項でした。僕は見に行こうとと思っていたのですが、睡魔に勝てず、昼寝してしまった。
 横田基地はない方が良い。日米軍事安保を撤回出来ない以上、仕方ありません。オスプレーの横田配備は賛成です。事故が多いからというのは横田配備反対理由にはなりません。危険は日本全国平均して背負うべきだからです。当然人口の多い首都圏は、危険も余分に背負うべきです。
 沖縄では、辺野古基地反対の知事が当選した。当然な事です。海兵隊基地は沖縄には必要ありません。全国民が平均してリスクを背負うなら、首都圏近郊か、関西圏に持って来れば良いのです。湘南海岸や房総半島で、上陸訓練やれば良いのです。
 
 僕の田舎は、会津の越後との国境です。家の前の阿賀野川は発電所のダム湖になっています。その上流の只見川から発電用のダムだらけです。ここで発電された電気は福島県で使うものではありません、皆東京に運ばれます。
 ダムのできる前は、晩秋になればシャケが上がって来て、うちの村もシャケの漁業権を持っていたそうです。会津藩の米はこの川を船で運ばれて大阪に運ばれました。ダムそれらは全てできなくしてしまったのです。
 浜通りの原発も東京のために作られたものです。メリットは他地域に持ってゆかれ、リスクだけを地元が負担する事になったのです。
 
 基地もダムも原発も同じです。沖縄の反対運動は、日米安保そのものを反対しているわけではありません。リスクの分担の不公平に反対しているのです。
 
 
 米中貿易戦争
 巨大な豚小屋は、早めに潰せ!
 旧ソ連の管理システムは、住民による住民の監視、相互監視でした。住民の中に秘密警察のスパイがいて、非共産党で行動を常に監視していました。現在の中国では、IT技術がそれを担っています。インターネットも、銀行も通販サイトも、専門の警察が監視し、個人の日々の行動が、手に取るように分かるのです。人工頭脳がそこでは最大限活用されている訳です。
 中国人が内側からそれに異議を唱えることは、甚だ難しくなる一方です。更にこのシステムを経済成長と共に、開発途上国に輸出し、世界の中国化を狙っているのが、現政権です。
 そうなれば、外から潰す他ありません。それが米中貿易戦争なのです。これは戦争です。経済の問題ではありません。豚小屋の管理システム的政治を許すか許さないかの問題です。
 
 本来TPPは中国包囲網を作り、中国を自由貿易へと誘導するのが目的の大きな一つでした。トランプは自分の支持者が不利とそれを蹴ってしまった。しかし台頭する中国に、対輸入品課税という古い手法を使わざる得なくなっただけの話です。
 トランプ政権の対中国批判が強くなるに従い、習世間は、日本ににじり寄ってきています。中国の甘い言葉は、日本にとり何の利益にもなりませんね。アメリカの埋め合わせを日本に求めているだけです。その本質は何も代わっていませんので、基本に戻り行動すべきです。方法は違うが、トランプの要請には協力して、中国包囲網を作るべきです。それは中国共産党には痛手でも、中国人にとっては明るい未来の始まりです。
 
 僕はトランプは嫌いです。トランプのアメリカは修正されます。中国は修正されずに、トコトン行ってしまう危険があるのです。
 中国人は細かいことに囚われず、日常を最大限楽しんで生きて行く。そんな人々でしょう。お金の亡者でも、間違いを注意され居直る人々ではありません。そんな不道徳な人々を作り出しているのは、現政権です。正しい情報が与えられず、政府を批判出来ない。全てにお金が優先する。そんな環境の中で生活していたら、人々は身勝手な行動するだけです。心の余裕を失っているのです。政府の責任は大きいのです。
 
 楽しい大工仕事
 逗子の小野さんの戦前の住宅の修理に何日が泊まり込みで行きました。古い建物ですから修理には、知恵を使わなければなりません。大変ですが、仕事しては楽しいですね。
 今年は雨が多く仕事が忙しい中、鎌倉まで歩いたり、鎌倉まで歩いたり、中秋の季節を少し楽しむことが出来ました。
 
 
 安田純平さん三年ぶりに解放!
 こういう人が居ることは日本の誇りです。

 戦争は国家や武装勢力により情報が歪められる、相悪の現場です。そこには多くの非戦闘の人々が生活しているわけで、彼らの様子は外の世界には伝わらない。命を懸け報道する人がいるから、大量殺りく兵器や、大量虐殺が抑えられている。
 元々テロリストは普通人々です。彼らを過激にさせたのは、そこに多くの問題があるからです。その問題は何なのか、それを知らせてくれる人がいなければ、世界は永遠にテロリストを作り続ける。
 世界中押し寄せる難民は、戦争がなくならなければ、消えることはない。戦争をなくすためには、真実を世界の人々が知る必要があるのです。
 国家や巨大利権勢力が自分達に都合の良い論理を振りかざし、大手マスコミが、真実に踏み込めなくては、問題の真の解決はありえない。
 「自己責任」を言う人は、真実を知ろうとしない、「自分を無知だ」と言っているのに等しいことです。

 だから、こういうジャーナリストが必要なのです
 

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