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清潔について 


外国旅行者が日本に来て感じる印象の一つに、
「街が綺麗だ、清潔」ということがあります。
それは単なる習慣とか、道徳とかより深い、信仰の核心からくる行為だからでしょう。

日本は温帯多湿気候です。感染症や食中毒の多い土地柄です。
戦争や犯罪など人為的ことより、自然災害とともに流行病を最も恐れてきたからです。
身の回りを清潔にすることが、それらに対して一番の対策だったのです。
そして、それば信仰へと昇華され、進行の核心を形作ることになったのです。

神様に向かう時、一番最初にする事は身を清める事です。
神社には身を清めるための、綺麗な水が用意されています。
反対に、不浄であるものが、魔であり、鬼で神と対極に存在する訳です。

赤鬼青鬼のあの形象は、疱瘡にかかった人をモデルにしています。
スサノオが高天原で悪行に、不浄のものを撒き散らすというものがあります。
それが最大の背信行為だかです。

浄化されたものはそれだけで尊重され、神格されます。
山がそうですし、清浄である湧き水その筆頭にあげられます。
下鴨神社の御神体は、泉です。
京都の土地神様で、葵祭は泉の力で疱瘡に打ち勝つことを祈願した祭りです。

旅行者が感じる清潔感は、日本人の深層心理がなす、自然な行為の結果です。

2018.10.21 Mamoru Muto
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