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夏まけて 咲きたる唐棣花はねず
  久方の 雨うち降らば 移ろひなむか
             万葉集 大伴家持



思はじと 言ひてしものを
  はねず色の 移ろひやすき 吾
が心かも
            万葉集 大伴坂上郎女



はねず色の うつろひやすき
    心あれば 年をぞ来経
る 言ことは絶えずて
               万葉集 作者: 不明







 「朱華」「唐棣花」(はねず) は庭梅の古名。

 朱華(はねず)色に染色された衣服は、灰で洗濯すると色落ちがします。そのことから、「はねず色」は移ろいやすい心を導く枕詞として使われるようになったと考えられます。

 庭桜(にわざくら)に形がよく似ているが庭桜は八重で庭梅は一重なので区別できる。花弁は5つ。







京都山科、随心院の朱華はねず踊り





 にわうめ (こうめ) Prunus japonica Thunb.  〔ばら科〕 
 
 支那原産の落葉低木で、古くから日本に渡来し、現在では観賞品として、ひろく庭園に植えられている。木の高さ1.7m内外で多くの枝を分校する.葉は互生し、ごく短い葉柄があり、長さ5~6cmの卵状皮針形、先端は鋭尖形、基部は円形、ふちには細かい重きょ歯がある。表面は緑色で無毛、裏面の葉脈上には多少とも毛がある。托葉は淡緑色で、葉柄よりも長く、ふちには狭い裂片状に裂けた細きょ歯がある。春に葉よりも早くあるいは新葉と同時に、枝上に多数の淡紅色あるいは白色の花を並んでつける。花は小形で径13mm内外、1~3個集つて生じ、短い花柄がある。がく片は5、花弁も5、雄しぺは多数、雌しべは1、核果は短柄をもち、殆んど球形、光沢のある赤色に熟して、生で食べられる。核は漢方薬として用いられ,郁李子という。
 〔日本名〕庭梅という意味.庭園に植え、ウメのような花をっけるからである。小梅はウメに似た低木であるため、ただしシナノウメの一名をコウメともいう。〔漢名〕郁李。1変種にニワザクラ(漢名)多葉郁李がある.葉は細長く、上面にはしわがより、淡紅色あるいは白色の八重咲きの花をつける。
-牧野植物図鑑-




 




 山花が咲くけど、種類が多過ぎなかなか区分けが出来ない。前回のボケも含めて、庭梅、庭桜も梅や桜の園芸種と一括してしてようです。
 調べていて、朱華踊りといった伝統芸能まであるとは知らなかった。  (ま)






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