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     つ   た


里に降りた紅葉も、最期の時を迎え、
枯葉となり、風に舞っています。
冬を迎えた風景は、しばし息を潜めています。

都会の外れの、無機質なコンクリートの羅列、
高速道路の支柱に、一つ二つ、蔦が伸びています。
蔦の作り出す造形美に、しばし足を止めました。


たまたま種が落ち、与えられた条件で、
精一杯蔓を伸ばしたその姿は、なんと美しいことでしょうか。
命のありのままの姿が、その形に投影されています。

「無機質なこんな強大なコンクリートの壁面を、
緑で飾ることが出来るのは、私だけ。」と、
蔦は、誇らしく主張しているようにさえみえます。
2016.12.13  Mamoru Muto
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