prev
next
千早ぶる 神の社し 無かりせば
春日の野邊に 粟蒔かましを 万葉集 不明作者
春日野に、粟蒔けりせば、鹿待ちに、
継ぎて行かましを、社し恨めし 万葉集 佐伯赤麻呂
足柄の、箱根の山に、粟蒔きて、
実とは成れるを、粟無くもあやし 万葉集 不明作者
「粟(あわ)無く」と「逢(あ)わなく」とを掛けています
梨、棗、黍に粟つぎ、延はふ葛の、
後も逢はむと、葵あふひ花咲く 万葉集 不明作者
黍(きみ)に粟(あは)つぎ --> 君に逢はつぎ 葵(あふひ) --> 逢う日
花言葉は : 「利益」
── 粟に関することわざ ──
滄海の一粟 そうかいのいちぞく : 滄海の一粟とは、広大なものの中にある、きわめて小さいもののたとえ。また、広大な天地の間にある、人間の存在のはかないことのたとえ。
粟一粒は汗一粒 : 農民の苦労をいったことば。小さな粟一粒であっても、その収穫のためには汗一粒にも当たる労力がかけられているので、無駄にはできないという教え。
濡れ手で粟 : 濡れ手で粟とは、何の苦労もしないで多くの利益を得ること、骨を折らずに金をもうけることのたと。
あ わ (おおあわ) Setaria italica Beauv 〔きく科〕 |
古く日本へ渡来し、今は全国いたる所の畠に栽培されている強壮な一年生草本で、高さ1~1.5m位ある。茎は単一で直立し、粗大な円柱形となり平滑である。葉は皮針形で、先端は次第に尖り、質はやや厚く縁に細いきょ歯があり、下に葉鞘を具えている。秋、茎の頂に単一な花穂を立て、一方に傾き、非常に大型で長さ15~20cm位、円柱形で多数の小枝を分けて無数の小粒形の小花を密集する。1個の枝穂は1花と不稔花穎とを持ち、長い剛毛、あるいは短かい剛毛を具え、小穂は1花からなる。第1包頴は小さく、第2包穎と護頴はほぼ同形、同大。第2包穎と護頴には光沢があり芒はない。雄しぺと雌しぺがある。頴果は小球状で黄色を帯びている。本種の内、モチアワは穀粒に粘り気があり、またこの外にネコマタ、ネコノテあるいはネコノアシ(var.ramifera Makino)と呼ぶものがある。穂の末端がわかれて数条となる。
〔日本名) アワは五穀のうち、味が淡いのでいうといわれているが、ほんとだろうか。また粟の朝鮮音ホアと同源かもしれないともいわれている。大アワは大形であるからいう。〔漢名〕粱。
-牧野植物図鑑- |
僕の田舎、会津柳津のまんじゅうです。
黄河文明は粟の栽培により生まれたと言われます。小麦、大麦は後から伝わったものです。五穀と言われる穀物には、人口の集中を可能にする力があるのです。
桃太郎伝説など民話や昔話には、お米以外の穀物が多く登場します。それは庶民は決して米偏重ではなく、土地の条件に合わせ、様々な作物を作り、それを食べてきたのです。
prev
next