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 七人の侍
 黒澤明の七人の侍は、野武士の強盗団に悩む村が、浪人者を雇い撃退するという話です。しかし、中世の村、室町、戦国時代の農村はそんなヤワな村ではなかったのです。強盗団ぐらいだったら、撃退する能力を十分持ち合わせた、武装した農村だったのです。強盗団より怖かったのは、隣接する他の村との領地争い、平地は境界がハッキリしていましたが、山は境界が曖昧で、山の利権、木の切り出し、肥料用草や落ち葉などの利権争いが、武器を持った争いまで発展する事があったのです。戦国時代のには、他国の領主の嫌がらせなどもあったわけで、そいいった組織的な敵の場合は苦労あった訳です。
 当時の農村には百姓だけてはなく、侍の家系、地侍もいましたしたし、鍛冶屋、大工などの職人、商人も一緒に住んでいました。弓、槍、大刀などの武器も自前で製造、改良も出来ました。竹槍や農具で戦うなどイメージとは違います。地侍なら親から戦闘訓練受けていましたし、戦国時代には足軽や運搬などの人足として、従軍した村人も多かった訳で、必要とあらば、村長の元に程々の戦闘集団を組織出来たのです。
砧の東宝スタジオにある「七人の侍」の巨大な壁画
 中世社会は農民や町人が自立した時代でもあるのです。山城の国一揆、一向一揆など、大名を退ける程の力を持った時代でもあるのです。全国統一した秀吉がまずしたのが農民の武装解除、刀狩りです。彼らの力を知っていたので最初に取り組んだのです。竹槍や武装する農民のイメージはそれ以降ですが、現代人が勝手に作り上げてしまったイメージでもあります。
 また中世の村は惣(そう)とか郷とか呼ぶ自治組織を持ち、名主や村長の元に結束していたのです。警察裁判権まで持ち、必要とあらば自検断といって犯罪者の処刑できる権利を持っていたのです。領主から独立した自由村を形成していたのです。年貢や賦役など領主との契約以外の村内の事は全て村で行っていたのです。
 戦国大名にとり、領内の村の支持を取り付けられないければ大名として失格だったのです。村々を豊かにする政策が出来なければ、軍事費も捻出出来ないわけで、領内の産業育成に力を注ぐわけです。それ以前の守護大名に比べ領民の生活の安定に努力していた訳です。
 
 職人について
 現在職人というと技術労働者を意味しますが、こと言葉が使われ始めた、平安時代、中世前半までは全く意味が違います。勿論技術労働という意味もあるのですが、意味がずうっと広いのです。全ての仕事が職人なのです。
 当時は天皇が支配する土地、貴族や寺社が支配する荘園、そして武家政権になり守護や地頭が支配する領地がありました。支配する為にそれぞれ、巨大な官僚組織を持っていたわけで、そこで働く人々を全て職人と呼んだのです。与えられた権限とそれを遂行する為の能力、それが職の体系があったわけです。勿論、神社仏閣を作る建築の専門家もその体系の中に組み込まれ、○○神社所属の大工といった具合に存在したのです。武士も☆☆荘園の警備担当、といった具合に存在していたのです。
 御恩と奉仕の主従関係は、武士達の個人的な関係でしかなかったのです。頼朝が幕府を開き、全国の土地の法王より管理権を獲得すると、主従関係は法的な意味合いを持つようになる訳です。
 平安時代以前の古代はこの職人という言葉ではなく「モノノフ、物の夫」と言われていました。物は霊的という意味合いです。巫女や神官や行政官も皆モノノフだったのです。武士は「力のモノノフ」と言われていたのですが、時代が下り官僚制度整えられ、新たに「職」という言葉が一般的に使われるようになり、モノノフは武士だけを表すようになったのです。
 中世も室町時代に入ると、律令制や荘園の官僚制度が崩壊する中、「職の体系」も崩壊することになります。職は体系ではなく個別の能力、技術を表す言葉となったのです。そして技術労働者のみに使われるようになったのです。
 
 
 三菱マテリアルの謝罪
 戦時中のアメリカ軍を捕虜の労働に対しては謝罪、他の国の捕虜や中国人にっては検討中。とのニュース報道です。随分と遅れましたが、謝罪を正式にする事はいい事です。これが他の企業にも広がるといい。裁判があり会社としは世界企業となった今日、過去を批判されるは得策ではないとの判断からでしょう。
 しかし、ただ今回、韓国人の労働者については謝罪しないそうです。当時日本国籍だったとの理由からです。敗戦後新たな国を作ったわけですから、謝罪すべきだと思いますが。
 同様の問題が、日本の産業革命の世界遺産での韓国労働者の問題です。今回韓国政府の要求を一部受け入れさせられましたが、最も正式に謝罪しても良いのだろと思います。新たな人権の基準を作る事にもなるのです。原爆や空爆の批判にもなるし、韓国や中国の事件問題の批判にもなるからです。
 
 鳩山由紀夫さんの土下座謝罪について
 終戦記念日前、植民地時代、朝鮮半島の政治犯の慰霊碑に、元首相の鳩山由紀夫さんが土下座して謝罪した。僕はたかく評価したいですね。日本は大人の外交、政府ではなく韓国、中国の国民にアピールする、外交をすべきです。
 勿論、領土問題、当時な補償などで譲歩しろということではありません。事実に即し正当と判断したら譲歩すればいいし、追加補償すればいいだけです。
 反日は多分に政治的に利用されて来た感があります。でもその根拠を与えてきたのは日本政府です。反日感情により多くの政治的経済的損失は計り知れません。恐らく日本より韓国、中国の損失の方が大きいと思いますが、謝罪すべきことは謝罪し続ける。それが大人の外交です。これからの東アジアは、三国が協調して行く他ないのですから。
 
 
 安保法案について、あるは憲法改正について。
 今回の法案は憲法違反だから廃案にすべきです。物事は単純明解です。同種法律が必要なら、憲法改正すればいいだけです。
 日本国憲法が生まれて半世紀以上経ちます。時代に合わないなら、そういう議論を提起すればいいだけです。
 自衛隊が必要なら、憲法に明記すべきですし、現在自衛隊は憲法違反です。
 最高裁が訴訟ななければ憲法違反の判断が出来ないというのは、憲法裁判所としての機能が麻痺している訳で、この憲法の欠陥です。また、新たなに環境権という項目があって良いと思います。
 
 先のイラク戦争。日本は臨時の法律を作り参加した。後方支援は兵站、軍事力行動の一部です。明らかに憲法違反の法律です。そしてアメリカの掲げた正義は偽りでした。その結果が今日まで続く内戦です。ISを作り出したのに日本も加担したということです。
 この戦争に日本は参加を拒否すべきだったのです。正しくない戦争は長々と後遺症続き、当の戦争以上の惨劇を引き起こすものです。
 日本がこのイラク戦争参加の自己批判ができるなら、そこまでキチンと議論できるなら、日本国憲法を改正しても良いと思います。
 
 
 やっぱり気になる国、中国
 今年の六月中国の株価は暴落し、中国政府はなりふり構わない対策に乗り出し、やっと落ち着いた。でも、一時的なもの、更に下がるでしょう。株式市場は自由であるから意味があるのですが、政府の関与は中国株式市場の信用を失墜させることになりました。
 実は中国政府はアベノミクスの手法を真似たのです。公的資金で株価を支えたのです。取り引き停止はアベノミクスにはありませんが。今取引停止している銘柄が再開すれば、また下がるのです。
 
 実体経済元々遊離している中国の株式市場が更に暴落しても、経済全体に与える影響は大きくありません。それより強いのは、中央政府の強権的経済運営です。各種の経済指標が実体経済を反映していないことです。GDBを7%に決めたから、経済指標もそれに合わせて発表しているからです。各省の担当官、中央政府の担当官が水増ししているからです。水増しされた指標で有効な経済政策は出せません。いずれ破綻する危機が常にあるのです。ハードランデンクせざるを得ない危機です。誰もそれは分からない。ということです。
 中国が破綻すれば日本経済も大きな影響を受けます。中国が真似した、アベノミクスの官製相場も大きな影響を受けます。それは年金資金、税金に10兆20兆円の損失を生むことになります。
黒田日銀総裁が「異次元」と言ったのは、普通の国の経済政策ではやらない、公的資金を使った株価操作です。失敗した時の損失は3倍4倍になって返ってくるということです。
 
 これが秋以降懸念される、中国、日本の最悪の危機です。日本も中国も庶民の実態を知らない経済エリートの安易な政策が進行していることは確かなのです。
 
 習政権と安倍政権
 習政権が腐敗撲滅を叫び、党幹部や官僚を摘発するのはいい。政策の意志決定が幹部政策者の裁量で決められる政治形態では、腐敗はなくなりません。腐敗をなくすのは情報を公開すればいいのだが、情報が政府の管理下ではそれはの望めません。意図しようがするまいが、権力闘争となります。党幹部や行政官への締め付けは大きく、経済指標の水増しなども一向に改善されないのも、党中央の顔色を見ているからです。
 二世三世政治家で習も安倍も、お坊ちゃん政治家で庶民のことは知らない。自分の理想とする古い理念に固執するあたりはとても似ています。
 安倍政権の党運営なんかも似ています。自民党はもっと様々な考え方の人がいるのですが、執行部批判がなかなか出てこない。ただこう言う政権は壊れ始めると一気に壊れてゆきます。
 アベノミクスを真似て上手く行かない中央政府というのも傑作なはなしです。国民を無視しているからです上手く行かないのです。両方ともたちの悪さについてはいいとこ勝負です。
 
 中国発の不景気が始まりました。
 経済規模が世界一第2位ですので、世界的になるのは避けれません。ギリシャ危機の比ではありません。そして長引くでしょう。いずれは一党独裁の政治体制改革まで及ぶでしょう。共産党の存立根拠がもはや失われているからです。
 
 日本への影響はとても大きいです。貿易量が大きいですから。アベノミクスはもうじき破綻するでしょう。アベノミクスは金融政策に頼りすぎなのです。こういう時一番経済を支えるのは、国内消費です。アベノミクスの脆弱さが、更に表面化します。経済担当官僚が陥りやすい、楽な政策、金融や公共投資といっものに偏った結果です。大切なのは国内の非効率な制度を一つ一つ点検し改善する地道な政策が必要なのです。
 
 安保法案。少なくとも中国の軍事的脅威は少なくなると思います。中国は国内改革の時代に入って来たからです。時代は経済的相互依存の時代です。大国同士が軍事力を前面に出したら、世界は潰れます。尖閣列島でも、南沙諸島でも、軍事的な発砲でも起これば、経済的損失は計り知れません。中国の軍事的脅威、そんな懸念をするより、中国の国内改革の援助することです。それが大人の対応ということです。
 
 福生カニ坂、ロックフェスティバル  8月29日、30日     写真ページ →
 夏の終わりはことお祭りと、僕の定例行事になって久しい。今年の残暑が弱そうなので、夏の終わりがいつもに増して実感出来ます。
 気温は20度前半と申し分ないのだが、天気は雨模様。直に芝生の上に寝っ転がりながらステージを観賞できるのが、ここの一番のとりえなのだが、それが出来ない。そんなことにめげていない、ここに集まる人々には恐れ入る。
 スポンサーが付いたりして、お祭りが商業ペースとなると、急速に魅力が失うのは不思議なことです。そういうのも何度か見てきましたので。手作り感良いのでしょうね
 
 

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