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佐伯山さへきやま、卯の花持ちし、愛かなしきが
、    手をし取りてば、花は散るとも
   作者:不明  万葉集


霍公鳥、鳴く峰をの上の、卯の花の、
   憂きことあれや、君が来まさぬ 小治田 広耳  
万葉集


卯の花を、腐くたす長雨の、始水みづはなに、
  寄る木屑
こつみなす、寄らむ子もがも  大伴家持  万葉集


神まつる 卯月になれば 卯の花の
  憂き言の葉の 数やまさらむ      源実朝  
金槐和歌集






の花も白し夜なかの天の川         言水
梅恋ひて卯の花拝む涙かな        芭蕉
卯花も母なき宿ぞ冷じき           芭蕉
卯の花やくらき柳の及びごし        芭蕉
卯の花をかざしに関の晴着かな      會良
押しあうて又卯の花の咲きこぼれ     正岡子規
卯の花のこぼるる蕗の広葉かな      蕪村
卯の花は日をもちながら曇りけり      千代女
卯の花や茶俵作る宇治の里         召波
卯の花や盆に奉捨をのせて出る      夏目漱石






5月22日の誕生花 : 卯の花 (空木)

空木の花言葉 : 「謙虚」






夏は来ぬ
(佐々木信綱 作詞 小山作之助 作曲)

卯(う)の花の、匂う垣根に
時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ

さみだれの、そそぐ山田に
早乙女(さおとめ)が、裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる、夏は来ぬ

橘(たちばな)の、薫るのきばの
窓近く、蛍飛びかい
おこたり諌(いさ)むる、夏は来ぬ

楝(おうち)ちる、川べの宿の
門(かど)遠く、水鶏(くいな)声して
夕月すずしき、夏は来ぬ

五月(さつき)やみ、蛍飛びかい
水鶏(くいな)鳴き、卯の花咲きて
早苗(さなえ)植えわたす、夏は来ぬ







う つ ぎ   (うのはな)              〔ゆきのした科〕
Deutzia crenata Sieb. et Zucc.
 北海道南部、本州、四国,九州の山地に普通にみられる落葉低木で、分枝が多い。高さは1.5m位である。樹皮は次々とはげ、若い枝には小さな星状毛がある。対生している葉は短かい柄をもち、皮針形か卵形を示し、先端が長く尖り、基部が丸くなっている。辺にかすかな凸のある浅いきょ歯をもつ。ざらざらで表裏ともに、殊に裏には,非常に小さな星状毛がぎっしりと生えている。脈上にはかたい毛が混じることがある。5~6月に円錐花序を出して多くの白い花を開く。がく筒は鐘形で、星毛がぎっしりとはえる.がく片は5個で三角形をしている。5個の花弁は、長楕円形で長さは1cm以上ある。雄しぺは10本あり、花糸に歯状の翼がある。花柱は3~4本、糸状で少し花弁より短かい。さく果は球形で硬く星毛がぎっしりはえ、先には3花柱が残ってっいている。材で木釘をつくる。変種に花が八重になったものがあり、ヤエウツギとよばれる。またこれにシロバナヤエウツギと、サラサウツギがある。
  〔日本名〕空木という意味で、幹が中空であるところから来たもの、ウノハナはウツギ花の略されたものである。また別の説に卯月(陰暦の4月)に咲くからともいう。漢名で溲疏というが,これは正しい用法ではない。
-牧野植物図鑑-




「おから」は絞りかすの意味。茶殻の「がら」などと同源の「から」に丁寧語の「御」をつけたもので、女房言葉のひとつ。

「から」は空に通じるとして忌避され、縁起を担いで、白いことから卯の花(うのはな、主に関東)、包丁を使わず切らずに食べられるところから雪花菜(きらず、主に関西)などと言いかえることもある。「おから」自体も「雪花菜」の字をあてる。寄席芸人の世界でも「おから」が空の客席を連想させるとして嫌われ、炒り付けるように料理することから「おおいり」(大入り) と言いかえていた。

中国語では「豆渣」(トウジャー、dòuzhā)または「豆腐渣」(トウフジャー、dòufuzhā)、韓国語では「비지」(ピジ)と呼び、精進料理や家庭料理の材料にする。





  卯の花は僕にはあまり馴染みがなくここに載せるのが遅れました。花が咲いたら今年はじっくり観察してみようと思います。調べてみて何と古来から歌に詠まれていることか。おから料理を卯の花と呼ぶ意味がやっと分かった。「お殻」は「お空」で「空木」に通じ「空」の字を嫌って「卯の花」と呼ぶようになった、そうです。日本語の言い回しの変化は独特です。この紙面では載せきれないのでホームページ他の話入れました。 (ま)

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