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鎮 め る


特別な事というより、平凡な事の連続で終わりそうな、最後の月。
夢見るブツブツ鳥が、何やら騒がしく音を立て始めている。
街までやってきた紅葉も、無彩色に、ただ通り過ぎてゆく。


今は立ち止まり、心を暫し鎮めて見ましょうか。

忘れていたことなどに思いをめぐらすのもいい。
遠くになってしまった、友達や事ごとを考えるのもいい。
今年起こった出来事など、思い出すままに振り返るのもいい。

己の動きひかえ、受動的な自分に心がければ、
水が低い土地に集まるように、
周りのささやかな変化にも、気付くことが出来る。


ゆっくりゆっくり、気持ちを穏やかに、
日々の移ろいの中に身を任せるましょう。

そして、
心に残ったものや、気付いたものが、
新たな形を作るまで、待ちましょう。

動くのはそれからでも遅くない、今は暫し留まり心を鎮めましょう。

2013.12.3 Mamoru Muto

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 若い頃は、周囲と何かずれているのに力任せに押し切り、良く失敗した。晩秋から初冬の季節は苦い経験が何度かある。
 屁理屈を言えば、知識に対する反発があったからです。理性的とか論理的とか、世間常識の優等生への反発です。それに対して、直感、動物的感覚、感受性、イメージ力とか、論理的思考に対抗するものを大切ににしたかったからです。
 でも、直感力だけで動くと、問題が起こります。それは物事を構成する本質かもしれませんが、この世にある物事は、そこに様々な要素が加わり、存在しています。直感で感じた要素以外のものを、往々に無視してしまうからです。
 例えば「僕は善意でやっているから、人は分かってくれるはずだ。」余り説明もなくやれば、人の反発をかうことはことになるわけです。親しい友人なら時間が経てば分かってくれるけど、親しくなければ大きな問題となるのです。
 悪意は全くないのだが、僕の行動が不信感をかうことが、良くありました。特にこと時期、秋から初冬の頃は、よく失敗しました。

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