↑prev next↓
師     走

十二月はゆっくりと心を鎮める時間が欲しい。
忘年会やそば打ちやで、忙しく動き回る時でもあるが、
基本は一年間起こったことを、思い出し反芻する時。

掃除や洗濯を放り出し、外に出た。
川沿いにゆっくりゆっくり、車を進める。
紅葉の最後を、乾いた冬の太陽が照らしている。

自転車を押す老人や、青々とした白菜の畑や、
家々のベランダには、干された洗濯物などが見える。
これらを愛おしい感じなければ、前に進んではいけない。

十二月は失敗の時、若い頃は力任せに動き、良く時期に失敗した。
自然と身体が前に進もうと欲するまで、動いてはならない。
良いことも、悪いことも、心のあるべき場所に収まるまでは。

2012.12.10 Mamoru Muto

↑prev next↓