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石竹が その花にもが 朝なさな
      手に取り持ちて 恋ひぬ日なけむ    大伴家持 




秋さらば 見つつしのへと 妹が植ゑし
         屋前の石竹 咲きにけるかも    大伴家持 




なでしこが、花取り持ちて、うつらうつら、
     見まくの欲しき、君にもあるかも    船王ふなのおおきみ




見わたせば、向むかひの野辺のへの、なでしこの、
      散らまく惜しも、雨な降りそね      作者不明
 




こもりのみ、恋ふれば苦し、なでしこの、
      花に咲き出よ、朝な朝な見む       作者不明 











花言葉

純愛・無邪気・純粋な愛・いつも愛して・思慕・貞節・お見舞・女性の美
才能・大胆・快活


ヤマトナデシコの花言葉

可憐・貞節
 











なでしこ (かわらなでしこ、やまとなでしこ) Dianthus superbus L. 〔なでしこ科〕
 多年生草本でひろく、各地の山野に自生する。茎は数本叢生し、直立して緑色、隆起した節があり、高さは普通50cm内外あるが、稀には1.7m余りに達することもある。葉は対生し、線形あるいは線状皮針形で両端は尖り、基部は相対する葉と短く連合して節を抱き、全縁で緑色あるいは粉緑色で、長さは3~9cmぐらいである。夏から秋にかけて、上方でまばらに枝を分け、優雅で雅味のある淡紅色の花を開く、稀に白色の花もある。がくは細長い円筒形で長さは2~3cmほど、先端は5裂し、裂片は皮針形である。がく筒の基部には普通4~6片の短く広い小包があり、がく筒に密接している。花弁は5個で長い爪部があり、拡大部のふちは深く糸状に分裂し、基部に鬚毛がある。おしぺは10個、花柱は2個。さく果は円柱形で先端は4裂し、宿存するがく筒の中にある。日本の風習として一般に古くから秋の七草の一つに数えられている。
 〔日本名〕撫子は可憐な花の様子にもとずいたもので、河原撫子は河原にはえるからである。また大和撫子は姉妹品の唐撫子に対していったものである。古名はトコナツ。〔漢名〕瞿麦は別物である。
-牧野植物図鑑-








  古くから日本人が愛して来た、秋の七草の一つです。万葉集でも、たくさん詠まれています。勿論、恋愛、相聞の歌です。カーネーションもなでしこの仲間なんですね、今回始めて知りました。江戸時代は空前の園芸ブーム、なでしこもブームの筆頭を飾った。
 大和撫子が日本女性の代名詞なったのは、明治以降と思うのだが、外国人を意識して、日本女性の美徳を表したと思われるから。  (ま)






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