No102・Menu
sweet * sweet
・・・ 祥子
詩・不完全性定理
詩・夢追い人
・・・Mamoru Muto
小野隆章・南極旅行写真
さぶの仕事 by 朝吹
TOKYO RIVERSIDE
― 多摩川のほとりで ―
・・・麻梨
思い出すまま・・武藤 守
蓮・はす・・季節の花
編集後記
○ 引越して半年、何が新しくなったのでしょうか。いつも何かを捜しているのですが、ここに書けるほどのことはなかなか見当たらない。
○ 六月の下旬のある日、ふらっとドライブへ出た。前日、海が見たいな、九十九里や銚子の海がいい、鹿島の海もいいなどどと思っていた。でも実際車を走らせると、国道十六号を山のほうへ曲がってどんどん山に入っていってしまった。
青梅から名栗、299号に入りひたすら進んだ、秩父を通り過ぎ群馬へ、上野村まで来てしまった。ここまで来るのは始めてである。御巣鷹山の登山口に廻っり、そこにあった観音様に手を合わせた。
さて帰りはと、佐久から韮崎に抜けてと漠とを考えて地元の案内板を見ると、299号より南の道がある、その峠道を北相木村へ出た。そして、川上村に抜けると、一面レタス畑。ここは高原野菜の一大産地である。また、案内板を見ると秩父に抜けられるらしい。
三国峠は上りは舗装道で楽だったが、下りは砂利道、急ブレーキをかけようものなら、谷底に落ちるかも知れない、エンジンブレーキを最大限きかせ、冷や汗をかきながら一時間かかり降りた。
上野原におるときはよく富士山に行った。ここに引っ越してから富士山ほどお気に入りのコースは、まだ見つかっていない。
○ 今回は小野さん、祥子さん、麻梨さん、朝吹真秀と武藤の原稿で作りました。
次回は九月中葉に出します。
夏です。夏ばてに気をつけ、元気に楽しくお過ごしください。 (まもる)
表紙/キノコ
前号の水喰土みずくらいど公園から北西に学校や図書館が続き、五日市街道が横切り、公会堂や児童公園や球場と緑の多い地区が細長く続く。梅雨に入ったばかりの曇りのある日、家の回りの散歩に出かけた。図書館の裏の小路を上って行き木の根に眼をやると、名前は分からないが茸が伸びていた。
茸と言うと南方熊楠を思い出す。まさに彼こそ天才と言っていい。彼は人の遠い先を歩いていた。明治の人々には奇人変人としてしか写らなかったかも知れないが、死後半世紀経ち彼が私財を投げ売り、命をかけて守った熊野の森は、日本人ばかりでなく、世界遺産として人類の財産として残った。また晩年、研究に没頭した粘菌は、生物学の「動物」「植物」の概念を打ち破る先駆的な研究であった。 現在、茸などの菌類は第三の生物と言われ、全ての物を分解して土に返す働きをする。彼等の働き無しには森は維持できない。
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